ゼルダ無双 厄災の黙示録【評価・レビュー】
ゼルダ無双厄災の黙示録は、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの100年前に起きた大厄災を舞台にした無双アクションゲームです。
ブレスオブザワイルドを本編とすると、外伝という扱いになります。
どのようなゲームなのかについてはこちらの公式ページでチェックしてみて下さい。
体験版もあるので気になる方は是非。
ここでは、体験版以降のネタバレを避けながらレビューしたいと思います。できる限りネタバレを避けているため、詳しく書けないことも多々ありますがご了承ください。
簡単に
良かった点
・アクションゲームとして質が高い
・100年前のブレスオブザワイルドの世界を見られる
・英傑たちに会える
・表情、目線などの描写が素晴らしい
気になった点
・ロードが長い
・痒いところに手が届かない
・強化した武器で挑戦するエンドコンテンツがない
・ストーリー上の問題解決方法が説得力がないものばかり
それでは、具体的にゲームのレビューをしていきます
ゲームシステム
ブレスオブザワイルドの世界観ではありますが、ゲームはあくまでも、三國無双や戦国無双に代表される無双アクションです。「ワラワラと湧き出てくる敵をなぎ倒し、気分爽快」という感じのゲームになります。
基本は無双アクションなのですが、ブレスオブザワイルドからは、シーカーアイテムや、ガードジャスト、回避ジャストなどの要素が受け継がれています。
ただ、ブレスオブザワイルドにあった自由な感じは当然ありません。これは本編から劣化しているのではなく、そもそもゲームとして目指しているところが違うのです。
「リンクや英傑たちを使って暴れまわる」という感覚が近いかも知れません。
評価
・無双アクションの最高峰
・スタイリッシュな戦闘が出来て気持ちいい
・乱戦になるとフレームレートが落ちて残念
ストーリー
舞台は100年前。ハイラル平原に展開している魔物の掃討戦に、リンクがハイラル軍の一兵士として参加するところから始まります。
それからゼルダと出会い、英傑を尋ね、神獣の繰り手となってもらうことを依頼し……という、本編で語られた100年前の流れを踏襲しながら物語が進んでいきます。
そこに、少しだけ未来からの介入が起こります。
評価
・ストーリーのボリュームに物足りなさがある
・物語中の事象に対して説得力のある根拠が示されないことが多い
・このゲームだからこそ実現できた素晴らしい演出が存在する
・Twitter等では楽しめた、泣けたという感想を述べている人をそこそこ見かける
音楽
オリジナル曲に加えて、ブレスオブザワイルドの楽曲や、それをアレンジした曲も登場します。ブレスオブザワイルドと同じで、優勢時に曲が変わるなどの演出があります。
評価
・イワロック以外はシーンにあった音楽が流れていた
・気持ちと曲調が合わないことが少なく、心地よくプレイできた
・オプションでわざわざ聞きなおすような素敵な曲もあった
グラフィック
基本的にはブレスオブザワイルドのモデルを引き継いでいます。イベントシーンはブレスオブザワイルドと変わりません。
しかし戦場では無双ということでたくさんの敵を表示することになるため、少し質が落ちています。
評価
・戦闘中はそれほど気にならない
・質が落ちていても雰囲気は十分にブレスオブザワイルド
・イベントシーンは綺麗
操作性
評価
・覚えなくてはいけない操作が多い
・慣れたら直感的に操作できる
・ジャイロ操作の質の悪さは擁護できない
・カメラワークがどちらかと言えば悪い
良かった点について
アクションゲームとして質が高い
通常攻撃と強攻撃を上手く組み合わせながらワラワラと出てくる敵を殲滅していきます。無双らしく、適当に攻撃ボタンばかり押していてもコンボになり、キャラクターがかっこよく戦ってくれます。
それらのコンボに加え、キャラクター独自のユニーク攻撃や、回避ジャスト、ガードジャストといったジャストアクション(ギリギリでの回避やガード)、シーカーアイテム、必殺技を利用して気持ちよく敵を倒していくのですが、それらの要素が上手くかみ合っています。
強敵との戦闘では、基本的には相手の攻撃後の隙を狙ってこちらが攻撃するといった手法を取るのですが、先に上げたジャストアクションなどの行動で、相手の攻撃をこちらの攻撃で切り返すような戦い方ができます。
この要素が戦闘の幅を広げ、スピード感を出し、スタイリッシュなアクションを可能にしており、これらは直感的に使用できるため、とても質の高いアクションに仕上がっています。
一緒に戦っている仲間は、自分が操作していない時はNPCとして行動しています。その仲間には移動の指示を出したり、交代することができます。
例えば倒さなくてはならない敵がマップの両端にいた場合、仲間を自分とは違う方に移動させておいて、自分が片方倒したあと仲間に交代すれば、マップを横断する手間が省けます。
これは広いフィールドで効率よく目的達成するということだけでなく、侵攻して来ている敵に仲間をぶつけておいて、敵の侵攻を遅らせるといったこともできます。これのおかげでいかに効率よくステージをクリアするかという楽しみ方もできるようになっています。
100年前のブレスオブザワイルドの世界を見られる
舞台はブレスオブザワイルドのマップを元に、100年前の様子に作り変えられたものです。ブレスオブザワイルドのように自由に歩き回ることはできませんが、ブレスオブザワイルドでは見る事ができなかった100年前の世界を垣見ることができます。
また、ゼルダチームが監修しているので、この100年前のマップは公式設定だと言って問題ないでしょう。
英傑たちに会える
ブレスオブザワイルドでは命を落としてしまった英傑たちですが、厄災の黙示録では生きている状態で会う事ができます。イベントシーンでの会話はもちろん、戦闘中にすれ違えば声を掛けてくれます(ほぼお決まりの台詞ですが)。
また、外伝だからこその演出があります。これは、本当に素晴らしい演出が幾つかあるのでブレスオブザワイルドを楽しんだ人には是非見てもらいたいところです。
加えて、ステージによっては最大4人までメンバーを選ぶことができるのですが、このメンバー選択の際に、関係性が強い相手には声を掛け合ったりします。ほとんどが汎用的なものですが、特定の人物を一緒にすると、専用の台詞が流れることがあります。
例えば、ミファーは他の英傑に対しては「ハイラルのため、力を合わせよう」と言いますが、リンクに対しては「リンク、一緒に頑張ろうね」と言います。
ちなみにゼルダに対しては無言です(ひどい)。
表情、目線などの描写が素晴らしい
イベントシーンでの描写で、そのキャラクターの心情を台詞を使わずに表しているシーンが多いです。特に、真実を告げることが難しい場面で、気持ちを表情で表現していたのは素晴らしいと思いました。そのシーンは恐らくブレスオブザワイルドをプレイしていないと意味が分からないシーンになっているので、やはり先にブレスオブザワイルドをプレイして頂きたいです。
気になった点について
ロードが長い
長いです。もし手元にスマホが無ければこのゲームの評価はもっと低かったでしょう。
痒いところに手が届かない
・通常時と照準時でカメラ設定が分かれていない
・通常戦と神獣戦でジャイロのON/OFFを個別に設定できない
・チュートリアルの質が悪い
・ロード中に表示されるTIPSを自由に見られない
・リンクだけ武器種がとても多いのに持てる数は他キャラと一緒
・リンクだけ武器種が多すぎて狙った武器が手に入らない
などです
強化した武器で挑戦するエンドコンテンツがない
キャラクターを育てても挑戦するモードや敵がありません。スコアアタックも出来なくはないですが、コストが必要な料理でルピー取得量を上げるとスコアにまでその数値が反映され、スコアアタックのためには必ずその料理を食べなくてはならないというジレンマがあります。
また、スコアにもネットランキングがあるわけでもないので、正直なところ真ENDを見たら特にやり込むこともなく終わりとなってしまいます。
ストーリー上の問題の解決方法が説得力のないものばかり
何か大きな問題が起きた時、知恵を絞るわけでもなく、唐突に出てきた新しい道具で解決したりします。仮にそういった物に頼るのだとしても、序盤で、この技術を解析すればこういうことが可能になるかも知れないと振っておいて、実際に問題が起きた時にそれらの解析が終わったという運びにするだけで印象が大きく変わる気がします。
また、それらの道具にも一応由来はあるのですから、その由来についてもう少し掘り下げてもいいのではないかと思います。
総評
ゲームの遊び部分はとても面白く、音楽も雰囲気もいいのですが、それ以外の要素が惜しいと感じる部分が多かったです。
ですが、他のゲームと比べれば十分に質の高いものになってると感じます。
折角体験版がありますので、興味のある方は実際に触ってみて確かめて欲しいと思います。
総合評価 :72/100
ゲームシステム :17/20
ストーリー :12/20
音楽 :16/20
グラフィック :15/20
操作性 :12/20
どのくらいプレイしてのレビューなのか
以上となります。購入の検討材料になれば幸いです。